特定技能1号で外国人材を受け入れられるのは、人手不足が深刻と認められた「特定産業分野」16分野に限られます。 自社の業務がどの分野に該当するか、その分野の技能試験は何か、協議会加入はどうするか——受入れ検討はこの3点の確認から始まります。
この記事の要点
- 特定技能の対象は16分野(2024年に4分野追加・製造3分野は工業製品製造業へ再編)
- 分野ごとに技能試験と業務区分が決まっており、業種が同じでも業務内容で該当・非該当が分かれる
- 受入れ企業は分野別協議会への加入が必要(建設のみJAC加入+負担金で費用構造が特殊)
- 農業・漁業のみ派遣形態での受入れが可能
- 育成就労制度(2027年4月施行予定)の対象分野は特定技能と原則一致する方針
16分野の一覧表
| 分野 | 主な対象業務 | 技能試験(1号) |
|---|---|---|
| 介護 | 身体介護等(訪問系を除く) | 介護技能評価試験+介護日本語評価試験 |
| ビルクリーニング | 建築物内部の清掃 | ビルクリーニング分野特定技能1号評価試験 |
| 工業製品製造業 | 機械金属加工・電気電子機器組立て等 | 製造分野特定技能1号評価試験 |
| 建設 | 土木・建築・ライフライン設備 | 建設分野特定技能1号評価試験 |
| 造船・舶用工業 | 溶接・塗装・鉄工・機械加工等 | 造船・舶用工業分野特定技能1号試験 |
| 自動車整備 | 日常点検・定期点検・分解整備 | 自動車整備分野特定技能評価試験 |
| 航空 | 空港グランドハンドリング・航空機整備 | 航空分野技能評価試験 |
| 宿泊 | フロント・企画広報・接客・レストランサービス | 宿泊業技能測定試験 |
| 農業 | 耕種農業・畜産農業 | 農業技能測定試験 |
| 漁業 | 漁業・養殖業 | 漁業技能測定試験 |
| 飲食料品製造業 | 飲食料品(酒類除く)の製造・加工 | 飲食料品製造業特定技能1号技能測定試験 |
| 外食業 | 調理・接客・店舗管理 | 外食業特定技能1号技能測定試験 |
| 自動車運送業 | トラック・タクシー・バス運転者 | 自動車運送業分野特定技能1号評価試験 |
| 鉄道 | 軌道整備・車両整備・運輸係員等 | 鉄道分野特定技能1号評価試験 |
| 林業 | 育林・素材生産等 | 林業技能測定試験 |
| 木材産業 | 製材・合板製造等 | 木材産業特定技能1号測定試験 |
このほか、いずれの分野でも日本語試験(JLPT N4以上または国際交流基金日本語基礎テスト)が必要です(技能実習2号良好修了者は免除)。※試験名・業務区分は変更される場合があります。最新の公式情報をご確認ください。
2024年に何が変わりましたか?
4分野の追加
自動車運送業・鉄道・林業・木材産業の4分野が追加されました。とくに自動車運送業は、トラック・タクシー・バスの運転者が対象となる一方、日本の運転免許取得(タクシー・バスは第二種免許)が前提となるため、受入れまでのリードタイムと費用が他分野より大きい点に注意が必要です。
製造3分野の再編
「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」の3分野は「工業製品製造業」1分野に再編され、対象業務区分も拡大されました。従来は対象外だった業務が含まれるようになっている可能性があるため、製造業の方は最新の業務区分を確認する価値があります。
分野選びで注意すべきポイント
業務内容で判断する(業種名ではない)
特定技能の該当性は「会社の業種」ではなく「外国人が従事する業務」で判断されます。たとえば食品スーパーの惣菜製造は飲食料品製造業に該当しうる一方、レジ・品出しのみの業務は対象になりません。付随的な業務の扱いも分野ごとにルールがあります。
協議会加入(建設のみ特殊)
受入れ企業は分野ごとの協議会に加入します。多くの分野は会費無料ですが、建設分野はJAC(建設技能人材機構)への加入(直接または所属建設業者団体経由)と受入負担金が必要で、コスト構造が大きく異なります。
雇用形態
フルタイムの直接雇用が原則です。例外として農業と漁業のみ労働者派遣形態が認められており、繁閑差の大きい産地では派遣スキームが使われています。
自分の分野の支援機関を探すには
分野が決まったら、その分野に対応する登録支援機関を地域で絞り込むのが次のステップです。
- 登録支援機関を分野×都道府県で探す
- 受入れ費用の目安を知りたい方は受入コストシミュレーター(無料)
- 技能実習からの移行を検討中の方は特定技能1号への移行ルート全パターン
まとめ
- 特定技能は16分野・分野ごとの技能試験+日本語試験が基本要件です
- 該当性は業務内容で判断されるため、求人内容と業務区分の突き合わせが最初の実務です
- 建設の費用構造、農業・漁業の派遣可など、分野特有のルールを押さえてから受入れ計画を立てましょう